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超能力仙道入門
超能力気功法奥義
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Fate/side story
フェイトsidestory螺湮(ライン)
ダイア包丁



 実験する遠坂を放置すると、最後の詰めを誤って失敗する確率が高いので、何とかして中止させよう。
 遠坂の部屋をノックした。
「遠坂、ちょっといいか?」
「士郎? どうぞー」
 遠坂の意外に気が抜けた返事を得た。
「おっかしいわねー。どこで間違えたんだろ?」
 ライフル弾の直撃にも耐え得るケブラーヘルメットを被った遠坂が、計算尺とノートと鉛筆で膨大な数式を検算していた。
 パソコンや電卓じゃなくて古くさい計算尺を使うあたりが遠坂らしいが、アインツベルン城のウィンチェスター事件で得た経験知から爆発を前提として実験していたのか。
「何を間違えたって?」
「宝石剣の試作実験にダイア包丁を使ったんだけど、エーテル理論値を大幅に下回っているのよ」
 俺の投影魔術で具現化した劣化複製の宝石剣だと、魔力(エーテル)の操作と並行世界を覗き見るくらいが限界だ。
 ゆえに、遠坂自身がオリジナルと同じ物を作ろうと試行錯誤し続けている。
 机の上に無造作な感じで置いてある、魔術礼装として変化したダイア包丁を観測した。
 天才の遠坂が、俺のような一般人じゃ理解不能な考究に従事していることなら知っているが、剣の属性に近い刃物であるなら俺でも少し解る。
 構成材質に含有する人造ダイアの粉末に天然ダイア以上の魔力が籠められているだけでなく、銀の原子核が異次元の角度でハイスピン状態だ。
 銀に限界値を突破する魔力を籠めれば、軌道転位単原子元素となり、セイバーのエクスカリバーと同様の光刃を発生させることも可能だ。
 魔力コンデンサとして機能するするダイア粉末が、理論値よりもエーテルを蓄積していない原因として、何らかの漏れがあると考えられる。
 ふと、居間でくつろぐイリヤが内包する膨大な魔力が、どこから得たモノなのか直観した。
 直観した矛盾する経験知を許容し、矛盾のまま胸中に沈めて沈黙することにした。
 計算尺でシャカシャカと演算し続ける遠坂に悪いが、衛宮邸で魔法爆発が起こると桜が困る。
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Fate/side story
フェイトsidestory螺湮(ライン)
ダイアが使ってある



 衛宮邸の食事当番なので遠坂が夕飯を作っていたのだが、急に動きを止めた。もう三分近くフリーズしている。
 横から下手に口出しすると遠坂が怒りそうだが、そろそろ焼いていた肉が焦げ始めそうなので一声かけることにした。
 台所に入ると遠坂が包丁をジッと見つめていた。キレかけてる桜のようだ。俺が怖れをなして早々に立ち去ることを選択しても仕方ないだろう。
 音を立てないように一歩退いたところで遠坂から声がかかった。
「ねえ士郎、この包丁ってダイアが使ってあるのよね?」
「そういう包丁だからな」
 確かに刃の構成材質としてダイアモンド・銀・セラミック・チタン合金ハイブリッドを使用している。
「士郎、悪いけど調理の続き、お願いね」と遠坂が言った。
 豚肉を切り分けていた包丁から血脂を拭い取って自分の部屋に移動した。包丁を持ったままでだ。
 何か天賦の才能による直観(インスピレーション)を得たらしい。
 とりあえず、俺が別の包丁を使って調理を続行し、料理を完成させた。
 皆を呼んで夕食を開始したが、遠坂だけ早々に食事を終えて部屋に戻っていった。
 なにやら魔術の実験を始めたらしい。
 皆が食事を摂り終わり、桜と一緒に後片付けも終えた頃、イリヤがやって来た。
 一瞬、死者が歩いているような猛烈な違和感を得たが、死者の蘇生に並行世界の運営など何らかの魔法が必要だという、得体の知れない経験知が意識の底から浮かび上がると同時にイリヤの存在が世界に馴染んでしまった。
 矛盾を許容して、矛盾のまま胸中に沈めた。
「リンが失敗に懲りず、また魔法の実験を始めたようね」とイリヤが言った。
 魔術じゃなくて魔法の実験か。 魔術協会による学術的な定義だと、科学技術で再現可能な現象を魔術と呼び、不可能な奇跡を再現するなら魔法と呼ぶそうだ。
 しかし、アインツベルン城のように派手な失敗されると困るな。
クールダウンsidestory夜刀浦の神(CD)
ウェンガー社のニューレンジャー



 錬金術みたいにホワイトパウダーゴールドと化しかけている銀のペーパーナイフを砕かないようペンケースに仕舞った。香月からの贈り物を粗末に使い潰すのも気分がよくない。
 ペンケースを開けたついでにナイフを出した。ウェンガー社のニューレンジャーだ。
 俺と香月の場合、とある経験知から筆記用具として鉛筆を愛用している。
 休み時間に鉛筆をシャカシャカと削るのに、このナイフを使っているので、よく手に馴染んでいる。
 ナイフを握って、片刃の切っ先に意識を乗せてオーラを伸ばし三〇センチ程度の光刃を構築した。
 指先だけでオーラを伸ばすよりマシだが【魔法カバラー入門】のダガーに関連する記述で『必ず両刃の剣である必要があり』と書かれて通り、少し使いにくい。
【魔法カバラー入門】に『ダガーを使いこなしてみれば理由がよくわかる』とも記述されている通り、片刃だとオーラの伸びが少しよくない。
 ブレイドがスターリングシルバーじゃなくてステンレス鋼だからかも知れないが魔力(エーテル)も籠めにくい。
「氷室、『八寸の延金』という刀法を知ってるな」と天野が言った。
「天野くん、魔道だけじゃなくて武道にも詳しいの?」と栃草が言った。
「道教思想の仙道魔術が混ざってる古流剣術なら少しだけな」
 唐(中国)の矛の術を採り入れ無敵の剣豪になった小笠原源信斎の、真新陰流に伝わる刀法だ。
 漢の張良の子孫だという者から源信斎が矛の術を習ったという。
 【魔法カバラー入門】に記述されているのと同じような、剣先に意識を乗せてオーラを伸ばし光刃を構築する方法だ。武術よりも仙術に近い。
 源信斎の場合、『八寸の延金』を方天戟のような中華風の矛で習得し、日本刀の技法として応用したのだ。
 おれも意識の働きを増幅する器物として、このナイフを使うとしよう。
 銀のダガーナイフより、ずっと入手が容易だしな。
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