忍者ブログ
1・2・3・4と吐き1・2と止め1・2・3・4と吸い1・2と止め……
超能力仙道入門
超能力気功法奥義
[1]  [2]  [3]  [4]  [5
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Fate/side story
フェイトsidestory螺湮(ライン)
ダイアが使ってある



 衛宮邸の食事当番なので遠坂が夕飯を作っていたのだが、急に動きを止めた。もう三分近くフリーズしている。
 横から下手に口出しすると遠坂が怒りそうだが、そろそろ焼いていた肉が焦げ始めそうなので一声かけることにした。
 台所に入ると遠坂が包丁をジッと見つめていた。キレかけてる桜のようだ。俺が怖れをなして早々に立ち去ることを選択しても仕方ないだろう。
 音を立てないように一歩退いたところで遠坂から声がかかった。
「ねえ士郎、この包丁ってダイアが使ってあるのよね?」
「そういう包丁だからな」
 確かに刃の構成材質としてダイアモンド・銀・セラミック・チタン合金ハイブリッドを使用している。
「士郎、悪いけど調理の続き、お願いね」と遠坂が言った。
 豚肉を切り分けていた包丁から血脂を拭い取って自分の部屋に移動した。包丁を持ったままでだ。
 何か天賦の才能による直観(インスピレーション)を得たらしい。
 とりあえず、俺が別の包丁を使って調理を続行し、料理を完成させた。
 皆を呼んで夕食を開始したが、遠坂だけ早々に食事を終えて部屋に戻っていった。
 なにやら魔術の実験を始めたらしい。
 皆が食事を摂り終わり、桜と一緒に後片付けも終えた頃、イリヤがやって来た。
 一瞬、死者が歩いているような猛烈な違和感を得たが、死者の蘇生に並行世界の運営など何らかの魔法が必要だという、得体の知れない経験知が意識の底から浮かび上がると同時にイリヤの存在が世界に馴染んでしまった。
 矛盾を許容して、矛盾のまま胸中に沈めた。
「リンが失敗に懲りず、また魔法の実験を始めたようね」とイリヤが言った。
 魔術じゃなくて魔法の実験か。 魔術協会による学術的な定義だと、科学技術で再現可能な現象を魔術と呼び、不可能な奇跡を再現するなら魔法と呼ぶそうだ。
 しかし、アインツベルン城のように派手な失敗されると困るな。
PR
クールダウンsidestory夜刀浦の神(CD)
ウェンガー社のニューレンジャー



 錬金術みたいにホワイトパウダーゴールドと化しかけている銀のペーパーナイフを砕かないようペンケースに仕舞った。香月からの贈り物を粗末に使い潰すのも気分がよくない。
 ペンケースを開けたついでにナイフを出した。ウェンガー社のニューレンジャーだ。
 俺と香月の場合、とある経験知から筆記用具として鉛筆を愛用している。
 休み時間に鉛筆をシャカシャカと削るのに、このナイフを使っているので、よく手に馴染んでいる。
 ナイフを握って、片刃の切っ先に意識を乗せてオーラを伸ばし三〇センチ程度の光刃を構築した。
 指先だけでオーラを伸ばすよりマシだが【魔法カバラー入門】のダガーに関連する記述で『必ず両刃の剣である必要があり』と書かれて通り、少し使いにくい。
【魔法カバラー入門】に『ダガーを使いこなしてみれば理由がよくわかる』とも記述されている通り、片刃だとオーラの伸びが少しよくない。
 ブレイドがスターリングシルバーじゃなくてステンレス鋼だからかも知れないが魔力(エーテル)も籠めにくい。
「氷室、『八寸の延金』という刀法を知ってるな」と天野が言った。
「天野くん、魔道だけじゃなくて武道にも詳しいの?」と栃草が言った。
「道教思想の仙道魔術が混ざってる古流剣術なら少しだけな」
 唐(中国)の矛の術を採り入れ無敵の剣豪になった小笠原源信斎の、真新陰流に伝わる刀法だ。
 漢の張良の子孫だという者から源信斎が矛の術を習ったという。
 【魔法カバラー入門】に記述されているのと同じような、剣先に意識を乗せてオーラを伸ばし光刃を構築する方法だ。武術よりも仙術に近い。
 源信斎の場合、『八寸の延金』を方天戟のような中華風の矛で習得し、日本刀の技法として応用したのだ。
 おれも意識の働きを増幅する器物として、このナイフを使うとしよう。
 銀のダガーナイフより、ずっと入手が容易だしな。
クールダウンsidestory夜刀浦の神(CD)
安定した鉄の刃



 氷室克樹が、おれの名だ。
 紆余曲折を経て、夜刀浦市立黒須高校に転校して、神智科に編入した。
 教室で、香月からプレゼントされた銀のペーパーナイフを手入れしていたのだが、奇妙な感触を得た。
 柔軟かつ強靭だったスターリングシルバーの刃が異常に硬くガラスのようだ。
 少しくらい歪曲しても以前ならば力尽くで真っ直ぐに出来たのだが、無理をすれば折れそうだ。
 【魔法カバラー入門】の226ページに記述されているように、オーラを伸ばすダガーとして非常に便利だったのだが。酷使による金属疲労だろうか?
 試しに光刃を構築してみることにした。
 しかし、両刃の剣先に意識を乗せて、魔力(エーテル)を刃に通してみようとしたところで、天野&栃草の魔術師コンビが寄ってきた。
「氷室、粉々に砕けるから止めておけ」と天野が言った。
「え? なんで氷室くんのペーパーナイフが砕けるの?」と栃草が言った。
「銀がパウダー化しかけている」
「パウダー化ってなんだっけ?」
「ホワイトパウダーゴールドと呼ばれるハイスピン単原子の非金属状態に変化する現象だ。超自然科学の授業を聞いてなかったのか?」
「ごめんっ」
 二人とも本来ならば入手不可能な魔道書を入手した本物の魔術師なのだが、お気楽な夫婦漫才コンビにしか見えない。
 だが、銀のパウダー化か……刃にエーテルを籠め過ぎて原子核がハイスピン状態になっているらしい。
 ハイスピン単原子状態の軌道転位単原子元素として存在できる銀よりも、通常物質として安定した鉄の刃を使用すべきだろうか?
魔法カバラー入門
魔術‐理論と実践
バーコード
ブログ内検索
Powerd by NINJAブログ / Designed by SUSH
Copyright © 不老長生の腹式四拍呼吸法 All Rights Reserved.
忍者ブログ/[PR]