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HARUHI/side story
涼宮ハルヒの憂鬱sidestoryラヴクラフトの世界

幻夢郷で知恵を得て戻る


 しかしパワーを暴走させなくなってきた涼宮ハルヒが何故、最近になってSOS団創設初期のような情緒不安定になったのか。
 朝比奈さんに対するイタズラも少々過剰だったしな。
「無論、ラヴクラフト全集を読み始めた君が原因だろう? それで彼女も興味を持ったのだよ」と龍見が言った。
 ハルヒも俺を真似てラヴクラフト全集を読んでみたのか。
「女性的な感性に複雑怪奇な物語が合わず悪夢に悩まされるようになれば当然、情緒不安定にもなるさ」
 ハルヒも図太いようで変に繊細なところが有るからな。
 ヒトの選択による原因と結果の連鎖が運命とも呼ばれる。
 ビブリオ・マニアでもある長門のコレクションに興味を持った俺の好奇心が今回の事件の原因ならば、これも運命か。
 だが行きが良くても帰りが怖い。
 どうやって帰れというのだ?
 長門あたりが救出に来てくれるかも知れないが頼りすぎてもアイツに負担をかけるばかりだしな。
 自力で何とかなると好ましいのだが。
「不幸中の幸いだが、この世界に魔術が実在する。故に自分自身で異世界を渡る方法を習得すれば良いだろう」
 ゲームの題材として使い古された仙界や幻夢郷で知恵を得て戻る物語みたいだな。
 しかしゲームの勇者だとか英雄と違って、こちとら自慢じゃないが凡俗の一般人だぞ。
「素人からでも正しい指導者の下で修行すれば一年……早ければ半年で習得可能な技術だ」
 俺とて育ち盛りの青年男子だ。
 帰還に成功してから朝比奈さんに頼んで時を遡るにしても年より老けて見えるとか言われそうな気がするな。
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HARUHI/side story
涼宮ハルヒの憂鬱sidestoryラヴクラフトの世界

鹿戸龍見が私の名だ


 涼宮ハルヒを怒らせたまま放置した翌朝。
 昨夜、長門のコレクションからラヴクラフト全集の一冊を借りて読んだせいか名状しがたい悪夢を見て寝覚めが悪かった。
 その上に俺が目を開けたとき微妙に違和感を得た。
 状況を確認するが自宅の俺の部屋だ。
 どういうわけか俺の部屋を寝床にしている三毛猫がいないので、それでかと思った。
 目覚まし時計を確認するとセットした時間まで時間があるものの、いつもなら妹の布団はぎによって叩き起こされている。
 ちょっとした推理で妹が朝っぱらから我が家の飼い猫であるシャミセンと遊ぶのに夢中で俺を起こし忘れたのかと思った。
 部屋のドアがノックされた。
 両親のどちらかと思ったがパジャマを着替えている途中でもなし入っても構わない。
「どうぞ」と許可した。
「おはよう弟よ」と見知らぬ長身痩躯の男が言った。
 俺に妹なら一人いるが兄貴などいない。
「鹿戸龍見が私の名だ。我々の嘲笑すべき主が創造した『この世界』における君の実の兄だよ」とカノトさんとやらが言った。
 やはり俺の嘲笑すべき涼宮ハルヒ団長サマが、この異状の原因らしい。
「えーと……カノトさんだっけ? 『この世界』と言ったがハルヒという名を知っているか?」と無意味なカマかけを試してみた。
「この世界において君の姓も鹿戸だから兄である私を龍見と呼んでくれ。それから我々の主である涼宮ハルヒを知らぬ筈が無いだろう」と龍見が言った。
 また涼宮ハルヒの謎パワーが目当ての変人奇人が新登場か?
 SOS団にハルヒが興味を持つ人種が宇宙人、未来人、超能力者と揃っているから残る心当たりとして異世界人くらいしか思いつかないのだが。
「私が君の世界に行くことが現状において不可能だから、この世界を基準とした場合、君が異世界人だね」
 そうなるか。
 しかし、この龍見という男だが古泉みたいに何でも知っているかのような態度だな。
「あんなフォマルハウトの火の玉小僧よりも遥かに視野が広いという自信があるがね」
 微妙に理解に苦しむ比喩を使うことも似ている。
涼宮ハルヒの憂鬱/sidestory/ラヴクラフトの世界
HARUHI/side story

涼宮ハルヒの憂鬱/サイドストーリー/ラヴクラフトの世界
涼宮ハルヒの憤怒


 キョンという俺の字名だが誰も本名を覚えやしないので、もうそれで良い。
 また涼宮ハルヒの謎パワーで幻想世界に飛ばされたから帰還するため試行錯誤している。
 
 そもそも何時ものようにハルヒが部室で朝比奈さんをオモチャにしていたのが全ての始まりだった。
 その日ハルヒが朝比奈さんにバニーガールのコスプレをさせて遊んでいたのだが少し悪戯の度が過ぎるようなので制止することにした。
 下手にハルヒを引っぺがすと朝比奈さんが全裸になりそうな状況だったので少々乱暴だったがハルヒの脳天を拳骨でポカリと軽く小突いた。
「やめんかバカもの」とね。
 しかし何かがハルヒの逆鱗に触れたらしく激怒させてしまった。
「キョン! みくるちゃんばっかり気にして! あんたなんか異世界に嵌まって迷い果てればいいのよ!」とハルヒが言った。
 朝比奈さんが涼宮ハルヒの憤怒に恐怖して逃げる事もできず半裸のまま蹲っていたのを記憶している。
 何時もなら仲裁に入る古泉が急に出現した閉鎖空間の《神人》狩りで忙しく不在だった。
 俺だけでハルヒを宥め賺す必要があったのだが付け焼き刃の御機嫌取りが火に油を注ぐだけで終わった。
 何故かハルヒが無意識に《神人》を発生させるような精神状態だったのも大きいだろう。
 長門が泰然自若と読書を続行していたのも記憶している。
 それから怒ったままのハルヒが帰ってしまったので朝比奈さんが、やっと立ち上がった。
 朝比奈さんの着替えを邪魔しちゃ悪いので俺も帰ることにした。
 一晩ハルヒも寝て起きたら怒りも治まるだろうと軽く考えていたのだが甘かった。
 これまで散々に苦労した経験と知識を無駄にしていたのだと気付いたのが翌朝だった。
 魔術が実在するラヴクラフトじみた幻想世界で目覚めたからだ。
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